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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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ゲルマン社会の再編

今回は、民族大移動前のローマとゲルマン社会についてです。


<ゲルマン社会の再編>

ゲルマン民族は、4世紀後半に始まった大規模な移動の前から、リーメスを介し、ローマと交流を持っていました。略奪遠征などで、帝国と対立することも多々ありましたが、交易なども行われ、平和的な交流も盛んでした。ゲルマン人は、前6世紀頃からスカンディナビア南部、中央アジア北部に、インド=ヨーロッパ語族のうち、ゲルマン語を話す人間集団として生まれました。

彼らは小規模な部族「ゲンス」を形成していました。この部族は、血縁関係に結ばれたような堅固なものではなく、分裂と融合を繰り返す、極めて流動性の高い集団でした。初期のゲルマン部族は、族長が血統原理によって支配の正当性を主張し、祭司を兼ねる神聖王でした。

しかし、ローマとの交流によって生じた貧富の差の拡大、ローマ製品への強い嗜好は、ゲルマン社会を変化させていきます。族長の性格は、戦闘における軍隊指揮能力に重きを置いた軍隊王へと変わっていきます。こうした社会変化に影響され、ゲルマン人の間ではマルコマンニ戦争が起ます。この戦争により複数の新たな部族が誕生しました。これらの新生部族は、より良い土地を求めて、帝国内へ侵入していったのです。

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