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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

フランク族

さて、今まで触れてこなかったフランク族。彼らは、他のゲルマン部族に抜きん出た王国を築き上げ、歴史にその名を強く残しました。しかし、もとのフランク族は他の部族とほとんど変わるところがない部族でした。


<フランク族>

3世紀になって初めて歴史の舞台に登場するフランク族は、ふたつの大きな支族と他の小部族から成っていました。ふたつの氏族とはライン川中流のリブアリ支族と、マース川下流域のサリ支族です。時の皇帝ユリアヌスは358年、ライン川に程近い帝国領トクサンドリアをサリ・フランク族に提供します。他の部族もライン川周辺の帝国領内に根を下ろしますが、ここではサリ・フランク族の方が問題となります。

サリ・フランク族は帝国に対し協力体制をとり、部族内の多くの指導層は帝国の官位を得ました。彼らは首長クロディオの代にトゥールネを首都とします。クロディオの子、メロヴィクスはアエティウス帝に、対フン族のカタラウヌムの戦いにおいて兵力を提供しました。フランク王国のメロヴィング朝は彼の名に由来します。メロヴィックの子シルデリックの代には、当時のガリア長官アエギディウスに協力し、ロワール一帯に展開してきた西ゴート族やサクソン族に攻撃を加えます。トゥールネでは王シルデリックの印が押された貨幣が鋳造されます。

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