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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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城の構造 「居館・井戸・礼拝堂・倉庫」

<居館>

城主やその家族が暮らす住居建築は居館と呼ばれます。初期の「城壁と塔」の城では、主塔が居館を兼ねました。しかし、城壁の防衛力が高くなり、城の敷地が広くなるに連れて、主塔とは独立した領主の館が造られるようになったのです。居館の規模はその城の城主の地位や財力によって異なり、それが王侯などであった場合は、居館は宮廷の中心となり、その建物は大規模なものになりました。居館は、居間や寝室などの個室、炊事場などからなり、これも城主の力の大きさによって豪華にも質素にもなりえました。

 


 

<井戸>

現在の生活と同じように、中世の生活でも水は欠かせない大切なものでした。特に、篭城をしているときなどは井戸の有無によってその城の運命が定まることさえありえたのです。普通井戸は、その重要性から主塔の付近や内部に設けられました。当時は井戸の工事には莫大な費用と労力がかかりました。井戸を掘るためだけにかかった費用が、城のその他の部分全体の建築に要した費用に匹敵するとことさえあったと言われます。そのため、井戸を掘るのが経済的に困難な城には水槽が設けられました。これは雨水を貯めるためのもので、井戸を掘るよりも、はるかに簡単で安価な水源を城にもたらしました。

 


 

<礼拝堂>

城には小型大型に関わらず礼拝堂が設けられ、城の精神的な柱となりました。大きな城には専属の僧侶が存在し、城住民の宗教上の世話を担当しました。小さな城には礼拝堂の代わりに簡単な祭壇などが設けられることもありました。

 


 

<倉庫>

倉庫は、城での生活に欠かせない施設でした。城に住む人々の食事を初めとした大量の貯蓄物の数々は、倉庫にしまわれるのでした。葡萄酒や樽に詰めた水なども、貴重な貯蓄物でした。また、篭城に備えての大量の矢や武器甲冑も、倉庫に置かれました。

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