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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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学生のノート-蝋板

紙が貴重だった中世では、講義で学習したことを記録しておくだけでもかなりの金がかかりました。そこで人々は、司教座聖堂付き学校に通う商人の子弟から、大学の講義を受ける学生まで蝋板を携えていました。蝋板は木の板に黒か緑で色付けされた蝋が塗ってあるもので、細い金属製の棒を使って文字を書くことができました。この棒の反対側は丸められており、蝋を平らにして文字を消すこともできました。

中世の学生たちは、とにかく知識を頭に詰め込むことを要求されました。学習用の教科書は中世後期に生まれますが、もちろん充実していたとはいいがたいので、彼らは今よりはるかに「記憶する」必要がありました。後で紙に講義内容を清書することもありましたが、ほとんどの知識は暗記するしかなかったのです。実際、教授たちも何かを書くときはまず蝋板に書いて、それを専門の書記に清書させていました。
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