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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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発酵のいろいろ

パンはどのようにして膨らむのか、そのプロセスを紹介していきます。まず、パンに最も適した麦は小麦ですが、これはグルテンの含有量が多いことが原因です。小麦の胚乳には粘展性を持つタンパク質と弾力性を持つタンパク質とがあり、グルテンはこれらを捏ねることで生まれます。このグルテン入り小麦に、酵母菌(イースト)から発せられる炭酸ガスが加わることで、パンはふっくら焼きあがるのです。小麦に次いでパンに向いていたライ麦は粘展性を持つタンパク質のみを持っていたので、単体でパンを焼くことはできても、そのパンは重く、噛むのに苦労する黒パンになります。そして燕麦や大麦、その他の雑穀は、小麦を加えないことにはパンにすらなりませんでした。

ドライイーストという便利なもののない中世。パンを膨らませるための酵母菌は、天然素材の中から見出されました。最も簡単なのが発酵したパン生地の一部を、焼かずにとっておくというものです。残し種と呼ばれるその生地は、発酵を進め、そのうち乾燥して菌の活動を停止します。これを保存しておき、パンを焼く前日に生地と水の中で一晩漬けてふやかすと、全体が発酵した生地が出来上がるのです。

この残し種は、長い発酵の過程で乳酸菌なども生まれるために、酸味のあるパンができるのでサワー種と呼ばれます。また、パンを焼く回数が少ない地域では、その度にサワー種を作っていました。サワー種は簡単に言えばただの過剰発酵したパン生地なので、室温を上げて、水の中に麦粉を漬けておき、適宜新しい麦粉を加えていけば数日で完成しました。
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