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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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パンを焼く

中世ヨーロッパでのパンの製法は、ほとんどローマ時代と変わりませんでした。古代ローマの時代に造られ始めたパン焼き窯は、1800年頃の産業革命期までほとんど形を変えずに使われていたそうです。もしそのまま生地を火に当てたりすれば、生焼けになってしまい、鉄板の上で両面焼きにするのでは薄いパンしか焼けません。パン窯を使って焼くことで、生地に多方面から、長時間熱を加えることができ、ふっくらとしたパンが焼くことができるようになったのです。

中世ではパン窯の普及によって、古代の炉辺焼きなどの伝統は衰退して行きましたが、それでもなおハレの日の特別なパンの調理法としては残っていました。炉辺焼きは熱した石の上に生地を貼り付けて、焼き具合を見ながら回転させ、火にかざして焼く方法です。他にも、干し葡萄を加えた生地を串に巻きつけて焼いた串焼きや、生地を二枚の鉄板で挟んで焼いた鉄板焼きなどがありました。これらの特殊なパン焼きは、窯のパンが日常のパンとするならば、祭りなど非日常のパンとして食されていたのです。
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