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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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『アポカリプト』(2006、アメリカ)



『アポカリプト』(2006、アメリカ)
原  題:Apocalypto
監  督:メル・ギブソン
上映時間:139分
おすすめ:★☆☆

舞台は16世紀初頭のアメリカ、ユカタン半島。マヤ文明の後期に当たります。主人公たちは村で狩りをして平和に暮らしていました。ところが、あるとき、同じくマヤ文明でも大きな国家を形成していた部族からの襲撃を受けてしまいます。襲撃の目的は、奴隷と生贄の確保でした。主人公は、妻子が待つ故郷へ走る、走る、走る。本編の大部分がジャングルを走り回る半裸の男たちという絵です。歴史物というよりはアクション映画ですね。中南米の文明のエネルギーを感じます。

世界史の観点から見ても面白いシーンはたくさんあります。まずは、生贄を捧げるシーン。主人公たちは「捧げられる」立場なのですが。インカ帝国、アステカ王国など同じ中南米のアメリカ先住民も行っていたであろう、ピラミッドの上で生贄の心臓を生きたまま取り出す儀式です。生贄として祭壇の露と消えていった人々の思いは、想像するしかないですが、戦争捕虜として連れてこられた生贄であればそりゃあ怖かったことでしょう。

また、英語を使わずに全編でマヤ語を使うというこだわりも見せています。マヤ文明は紀元4世紀から14世紀頃にかけて栄えていた中南米の文明です。アステカやインカのように広大な統一国家を築くことはなく、都市国家同士で戦争や同盟を続けていたようです。派手なボディ・ペインティングやじゃらじゃらした服装をした貴族や戦士、ほとんど裸の庶民や奴隷などの対比がよくわかります。服装が派手であればあるほど高い位にいることが示されたのでしょう。

最後に、主人公はスペイン人の来航を目にします。一隻のボートで乗り上げる数人の宣教師と兵士です。このシーンをみると、これまで映画で見てきたほとんどの人が、この後数十年の間に殺戮や伝染病、労役による酷使で死んでいくのだという未来を予感せずにはいられません。タイトルから察せられるように、中南米諸文明の終焉を感じられる映画です。

▼16世紀中南米の諸文明

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