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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

「ドラキュラ公」 篠田真由美

商品紹介第二弾。今回も時代小説です。…はい、お察しのとおり勉強中です。




東欧の小国、ワラキア公国を知らない人でもドラキュラを知らない人はいないでしょう。この本は、かの有名なブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」の主人公のモデルとなった、ワラキア公ヴラドの生き様を描いた小説です。

彼は串刺し公とあだ名されるように、何万もの反逆者やトルコ兵を杭で串刺しにして殺したと言われています。その恐怖がドラキュラのモデルとされるに至った所以であるのですが、彼は別に狂人だったのではなく、チェーザレ・ボルジアや織田信長のような現実主義者であったがゆえに残虐行為にも手を染めたのだというように描かれています。

後半は少しファンタジー色も入って、個人的にはなんだかなぁ、と思うところはありますが、東欧の歴史に親近感を抱ける数少ない小説ではないでしょうか。ちなみに…「コンスタンティノープルの陥落」塩野七生著を既に読んだ人は、内容が少しリンクしますのでより楽しめると思います。
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