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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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フュルド

今回は…いきなり軍隊についてです。10世紀以降の農村については改めて書いていきます。




アングロ・サクソン人は、農地面積を基準にしたを基本とした徴募兵制度を持っており、チェオルルと呼ばれる自由農民に兵役の義務がありました。アングロ・サクソンの社会では、一家族が食べていけるのに充分な農地面積を1ハイドとして、5つのハイドが協力してひとりのフュルドと呼ばれる兵士を送るものとされていました。

当時のブリテンの小領主であるセインの保有地は最低で5ハイド程であったので、こうして徴集されたフュルドはある程度の練度と重装備が与えられていました。5つのハイドは、セインが保有する領地の一部であったり、個人あるいは複数のチェオルルのものであったりしました。彼らは、その徴集形態から特に選抜フュルドと呼ばれ後述する大フュルドとは別に組織されました。選抜フュルドは、通常軍務60日の間に、必要に応じていつでも召集されました。

大フュルドとは、健康な全自由民に対して課せられていた義務であり、領土防衛のために緊急に徴集されるものでした。彼らは選抜フュルドに比べ、練度でも装備でも劣っており、故郷から半日以上遠くへ行軍する義務を持たなかったため、その使用は限定的なものでした。

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