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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

都市の誕生 「領邦都市・市場都市」

ローマの統治下に入らなかったライン以東ドナウ以北の地域では、聖俗の領主館の周辺に都市が形成されることがありました。また、農業の発達も、都市の形成を促しました。


<修道院と城>

10世紀頃からの城の建設により、領主は城を基盤とした、地域への均一な支配を開始していました。また、ローマの支配下に入らなかった地域には、キリスト教布教のために、各地に修道院が建設されました。それらの聖俗の領主館は造幣権や裁判権を持ち、地域住民を支配していたのです。

これらの土地支配の拠点は、領地で作り出された産物の集計地でありそれらの産物の流通の中心でした。そのため、地域の商品を扱う場として、領主館の付近に市場的集落が形成されていきました。これらの集落はブルグスと呼ばれる領邦都市を形成しました。

そうしてできあがった都市は領主の支配下に入りました。権力者の下に集うことによって、都市の商人は彼らの庇護を受け、比較的安全な状況を手にしたのです。都市を支配した聖俗領主の権力は、徐々に弱まっていきます。かわりに都市を運営したのが、市民で構成される自治組織でした。しかし、都市の自治の度合いや、権力移行の様子は、キヴィタスでの司教の市民の関係の場合と同じく、都市によって様々でした。


<農業生産の拡大>

中世中期に入ってなされた農産物の余剰も、都市を形成する一因となりました。農村の生産物に、農民たちで消費し、貢租を収めても、まだ余りがでるようになったということです。このような生産物は、農村の週市で取引されました。このような週市が発展して、定住型の集落に発展したものもあったのです。

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