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"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。
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木造から石造に変化し、自身の防衛力を高めつつ成長した城。その重要性が最高潮に達したのは、中世後期のことでした。この時代以降、領主の館としての城は衰退の時代を迎えることになります。
13世紀から14世紀にかけて、城はその発展の最終段階を迎えました。この時代に新設された城になると、主塔はもはや姿を消します。以前からあった城を拡張した場合のものでも、主塔の持つ役割は徐々に小さくなっていきました。理由は、築城技術の発達により増して堅固になった門や塔などの防衛施設が、敵が城内に侵入したときでも単体で敵の攻撃に耐えることができるようになったためです。主塔は、城の最後の砦という役割を失ったのでした。
城の主人たちがより住み心地のよい住環境の居館を求めたことも、主塔の重要性低下の一因でした。城は幾重にも張り巡らされた分厚い城壁と、要所を固めた塔によってますます難攻になっていきました。敵兵が城の中央にある居館にたどり着くのためには、いくつもの門、塔、城壁を攻略しなければならなかったのです。
2007.1.19 加筆修正