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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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「大聖堂」ケン・フォレット


長い、長いですこの本は。しかし読み応えたっぷりで飽きがきません。それは、きっと登場人物たちが二転三転する状況の中で、みな必死に生きているのが感じられるからだと思います。話のすじは、修道院の新しい大聖堂を建てようとする修道院長フィリップ、建築家トムとその家族と、建設を妨害しようとする司教ウォールランや伯爵ハムレイとの対立が中心となっています。そのほかにも元アウトローの親子やハムレイに伯爵領を乗っ取られ復讐を誓う姉弟など、さまざまな立場の人々が大聖堂を中心にして関わります。

時代は12世紀初頭、スティーヴン王の御世、イングランドでは内乱が勃発していました。内乱中、ということは、ただでさえ弱かった警察力がほとんどなくなってしまうことを意味します。これに乗じて、伯爵ハムレイはやりたい放題です。こんな不条理に対し、武力をもたない修道院には成す術もありません。こういったところは、フェーデが蔓延った中世の姿の、厳しい一面をうまく描いていました。読んでいるとハムレイがどんどん憎くなっていきます。どんどん話の中に引きずられていきます。

名前が「大聖堂」ですので、かなり大聖堂の構造について詳しく書いてあります。しかし、ビジュアルで見るのとは違うので中々想像し辛いものがあります。大聖堂について、いくらか知識があるとより楽しめます。特に、建築様式の変化などにも触れていますので、そこでちょっとした感動があるんじゃないかと。ちなみに私にはわかりませんでしたが…。今度勉強してもう一度読み直したいですね。

ttyfさん、この本を紹介して下さりありがとうございました!



なんかまた小説が読みたくなってきました。「修道士カドフェル」シリーズというのがあるらしいですが…それを読んでみようかなと考え中。それより記事をこうs(ry

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