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"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。
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価値比 | ラテン | イングランド | フランス | イタリア | ドイツ |
1 | デナリウス | ペニー | ドニェ | デナロ | ペーニヒ |
12 | ソリドゥス | シリング | スー | ソルド | シリング |
240 | リブラ | ポンド | リーブル | リブラ | プフント |
また縦回転のローラー臼の誕生によって、オリーブやサトウキビ、樫の樹皮などの原料を潰して油や砂糖、タンニン(革をなめすのに使われる)を抽出したり顔料製造が行われました。ローラー臼はすり潰す用途のほかにも金属などの研磨に使われました。
クランクやカムの利用で水車の回転運動を上下運動へと変化させた水車もあり、そうしてできた水力ハンマーは織りあがった毛織物を叩いて強くする縮絨作業に使われました。また縦運動の水車は金属加工においても大きな革新をもたらしました。鉱石の粉砕、ハンマーによる鍛造、水力ふいごによる品質の向上と生産の拡大などです。水車はその他にも金属板の圧延・切断、硬貨の鍛造、坑道の排水、換気、鉱石の巻上げなどを行い、中世の工業に欠かせないものとなりました。
▼ローラー臼
▼回転砥石
▼水車による鍛造
▼水力ふいご
前の記事でも書きましたが、11世紀末のイングランドには5000を超える水車が存在しました。そのような総括的な資料は他の地域にはありませんが、例えばフランスのピカルディ地方では11世紀初期に40あった水車が12世紀末には245へと増加し、同じくオーブ地方では11世紀にたった14だったものが13世紀初期にはおよそ200に増加しました。
風車の起源は古代エジプトにまでさかのぼるとも言われていますが、記録に残されているものでは10世紀頃、現在のイラン・アフガニスタンの国境地域に作られたのが最初だとされています。この地域では水車の原動力となる河川が少ないことを考えれば、強風が吹くこの地域で風を使った機械を作ろうとしたことも不思議ではありません。風車は主に、井戸水の汲み上げや製粉に使われました。さて、本題のヨーロッパの水車の話に入ります。
中世ヨーロッパで風車が登場するのは12世紀初期です。風車はやはり水流に恵まれない地域を中心に普及してゆき、例として13世紀、フランドルのイーペル周辺だけで120の風車があったと記録されています。また、風車といえばオランダですが、この地に風車がやってきたのは13世紀後半のことです。写真などで何度も目にしたことがあると思います。オランダでは14世紀末頃からは干拓のために多くの排水風車が活躍しました。
また、風車は時代とともにその形を変えていきます。初期の風車は車がついた箱を木柱「ポスト」の上に乗せて、風の向きに応じてその箱を回転させる箱型風車でした。しかし、本体を動かすのは労力がかかったために、14世紀に入ると風車の頭の部分だけを回転させることができる塔型風車が登場します。これらの風車は製粉が主な仕事でしたが、オランダなどでの干拓や水車も行うようなさまざまな用途に使われるようになっていきました。
▼箱型風車
▼塔型風車
今日は暑かったですね。(関東在住)最近は涼しくなったと思っていたんですが…まぁ、夜はぜんぜんマシになりましたが…。中世の人々は(今の日本のような殺人的な気候ではないにしろ)気候をすべて直に受けて生きていたんですよね。たくましいことです。
また、沿岸部では潮の満ち干を利用して水車を回すものがありました。河口などにダムをつくり、干潮時に水門を開けて車輪を回すのです。13世紀、イギリスには38台の潮力水車がありました。しかし、11世紀末のイギリスには5624台の水車があったとされていますので、このような型の水車は非常に稀だったといっていいでしょう。
さて、そんな水車は大きく分けると二種類に分類されます。水平型と垂直型です。水平型は車輪が横回転をして、水の流れをそのまま臼に伝えるものです。垂直型は、私たちが普通に水車といわれて想像する車輪が水の流れによって縦回転するものです。この型の水車には河川などの上部に置かれて下から水を通す下掛け式と、上から水路を使って水を流す上掛け式がありました。特に河川の流れが弱いところでは後者が使われました。これらの垂直型水車は歯車を通して回転が水平方向へ変えられて、臼を動かすようになっていました。
▼垂直型水車
▼水平型水車
09.2.27 加筆修正