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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

水車 「垂直型と水平型」

11世紀頃からヨーロッパで普及し始めた水車は、すでに紀元前1世紀には地中海世界においてその存在が確認されています。(もっと過去のものもあります)古代ローマで造られていたこの水車はイギリス産業発明の初期に使われていたものとほとんど変わらない機構なのだそうです。この水車は、主に製粉のために使われました。しかし、奴隷という労働力が豊富にあった古代ローマ世界にあっては、水車は中世にくらべるとかなり限定的にしか使われていませんでした。それでも、軍団駐屯地や帝都ローマなど、穀物需要が高い拠点にパンを供給するために、水車は重要なものでした。

さて、そんな水車は大きく分けると二種類に分類されます。水平型と垂直型です。水平型は車輪が横回転をして、水の流れをそのまま臼に伝えるものです。垂直型は、私たちが普通に水車といわれて想像する車輪が水の流れによって縦回転するものです。この型の水車には河川などの上部に置かれて下から水を通す下掛け式と、上から水路を使って水を流す上掛け式がありました。特に河川の流れが弱いところでは後者が使われました。これらの垂直型水車は歯車を通して回転が水平方向へ変えられて、臼を動かすようになっていました。

▼垂直型水車

DSC00045.JPG
   

▼水平型水車

DSC00046.JPG


09.2.27 加筆修正

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