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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

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フランク王国の軍組織

再編です。以前「カロリング朝の軍隊」カテゴリに2つしか記事がなかったので。ここでは王の重装騎兵と、補助軍としての徴収兵について紹介します。この時代には、まだゲルマン由来の「自由民の男子たるもの戦士」という考えが定着しており。「戦う人」=騎士という概念が普及するには、もうしばらく待たなくてはなりません。



【スカラ】

カロリング朝初期の王や貴族たちは、私兵であるスカラをかかえていました。スカラは、主に騎兵であり、王国の数少ない常備軍でした。彼らは、徴集兵 などの兵卒を率いる指揮官となったり、50~100人程で構成される密集陣形「クネイ」を組み、完全武装の重騎兵として戦闘に参加しました。また、戦闘の 絶えなかった辺境領に駐屯することもありました。

【パルタン】

罰令権「バンヌム」とよばれる一般的な徴集令、あるいは国土防衛「ラントヴェール」という緊急動員発動の際、実際に戦場で戦った徴集兵がパルタンです。彼らは、地方の聖俗領主により召集されました。彼らが出征している最中の、残された妻子や農地は「エダン」と呼ばれる後方要員が支援することになっていました。ラントヴェールに応じなかった者は、死をもって罰せられ、バンヌムに逆らった者にも、体の一部を失うというような重い刑罰が下されました。

一般民には、エダンの他にも実際には戦いに参加しない軍事的義務がありました。「ホスティレンセ」は兵站確保のため荷馬車と牡牛の提供。「カルナティクス」は食料用の家畜を差し出すものでした。

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