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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

城の構造 「城壁・回廊」

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▲回廊・張り出し陣

防御用の壁は、城がまだ木と土だけでできた砦だった頃から存在する城砦の最も基本的な施設です。材料は時が経つに連れて木から石へと変化していきました。城壁の規模は地域や時代によって多様でしたが、厚さ2~3メートル、高さ3~4メートル程が一般的でしたが、もっと低いものや高いものもありました。断崖絶壁の上の城壁であれば、高さはそれほど必要とされなかったので1メートルたらずのものまでありました。また、都市の壁ですが、コンスタンティノープルの内壁は厚さ約5メートル、高さが約17メートルもある巨大なものでした。

城壁の内側には通路として回廊が設けられました。回廊により、城内の人々は、いちいち地面に降りることなく、城の施設間 を移動することができました。これらの回廊は平時には連絡橋として、戦時には防衛設備のひとつとして利用されました。

城壁には、ほとんどの場合に守備兵がそこでの戦闘を有利に進められるように仕掛けが施されています。その中でも代表的なものが凹凸の形を持つ狭間でしょう。これにより、守備兵の射手は狭間の陰に隠れながら敵兵への攻撃が与えられるようになります。また、より安全な射撃用防御の仕掛けとして狭間窓(射眼とも呼ばれます)がありました。これにより射手は相当安全な状態での攻撃が可能になったのです。これは一本の細い垂直の裂け目で、射程範囲を広げるために、その裂け目の一部分が横に広げられていることもありました。

また、回廊には出窓のような張り出しを設けることもありまし た。張り出し陣と呼ばれるこの仕組みのおかげで、城兵は城壁の真下にいる敵を攻撃することが可能となりました。

08.2.2加筆修正

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