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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

都市の誕生 「建設都市」

今回で「都市の誕生」については最終回です。今回は、領主の指導によって新設された都市と、遠距離交易の発達による都市の形成について紹介します。また、都市の形成に関するまとめもここで行います。


<建設都市>

時代が過ぎるにつれ、ローマ都市の発展や商業的集落の増加、農業の発達による農産物の余剰生産などにより、ローマの崩壊後は局地的だった商業活動が、遠距離を繋ぐ大規模なものに再発展しました。発達した貿易ルートの中継地として、各地に建設都市が築かれました。これらの都市は、領主の指導の下に、あるいは商人たちの手により自然発生的に造られました。建設都市の存在ははさらに地域の商業活動を発展させるのに役立ち、周辺農村との取引の場としても発達していきました。

領主指導の下に建設された都市の中には、領主の居館と接し、また地域の農民の市場的意義も持ち合わせているものもありました。


<都市形成のまとめ>

中世の都市形成は、数百年の間に形成されており、その起源も様々なものでした。今回分けた「ローマの系譜をもつ都市」。地方領主の支配下にある都市」。「農村の市場から発展した都市」、「新たに建設された都市」「交易の活発化により形成された都市」などは、話を進めやすくするために便宜上分けたに過ぎません。中世都市の多くは、これらの諸原因が重なって形成されました。そのことを理解しなければいけません。

これらの都市は、周辺に新設されていった商業的集落と互いに活性化しながら発展しました。これらの市場集落や既存の都市は単体でも中世都市に発展しましたが、やがて一体化して、ひとつの都市を作り上げていくこともありました。

▼「都市を起源からみた分類」 画像をクリックすると大きく表示されます。

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▼都市を支配者からみた分類

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