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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

メイス、フレイル-中世の棍棒

木製の柄の先端を金属で加工し、破壊力を増した棍棒型の武器がメイスです。メイスには様々な種類があります。ただ鉄球が突いているような単純なものもありましたが、鉄球に放射状に突起物を取り付けたものが有名でしょうか。金属板を切り裂いたり、鎧の隙間に槍を刺すのは簡単なことではありませんが、メイスならただ思い切り叩きつけるだけで、上手くすれば相手の骨を砕くこともできたのです。そのためメイスはプレート・アーマーを着込んだ重装兵に対する有効な武器として重宝されました。また、武器の製造が簡単で安価だったことから、様々な階級の兵士に使われました。

フレイルはメイスの攻撃力をさらに高めようと作られた武器です。柄の先端部分と突起の突いた鉄球を鎖でつないでいるものや、二本の棒の先端同士を鎖でつなぎ、片方の棒を柄に、もう片方の棒を攻撃用にしたものもあります。遠心力を使って勢い良く振り下ろされたフレイルは、かなりの打撃力を持ち、また連結部があるために攻撃を詠まれ難いという利点がありました。フレイルは普通、攻撃部が柄より短くなるように作られました。そうしなければ、訓練不足の兵士が自分の頭を潰してしまいかねなかったためです。
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