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チリツモ【中世ヨーロッパ情報館】

"chiritsumo” 管理人チリが、中世ヨーロッパにまつわる情報を紹介していきます。

農村の歴史 「メロヴィング朝期」

今回は、農村の続きです。帝国崩壊後のフランク王国前期、ローマとゲルマンの融合は、ガリアの地を中心に発展していくことになります。


5~8世紀中葉まで、メロヴィング朝フランク王国の時代には特に大きな変化は、農村には訪れていませんでした。理由は、丁度この時期が寒冷期になっていたためです。しかし、土地の有力者を指導に、若干の耕地の拡大が行われました。しかし、有力者はその領地のほとんどを、自営農民の土地から吸収することで形成していきました。

いまだ、強力な王権が固められていなかったため、政治が不安定であったこの時代。個人経営の農民の権利は、とても安全なものとは言えませんでした。そのため、中小自営農民は有力者に庇護を求めて土地をいったん譲渡し、貢租の支払い義務を付加され再授与されることをし始めました。これにより古典荘園制(古典荘園制参照)が生まれます。

この時代の特徴として、農耕と牧畜の融合が発達したことがあげられます。すでにこの時代には、狩猟より牧畜の方が遥かに一般的だったのです。牛や馬を使って耕地を耕し、家畜の糞を肥料とし、牧畜は農耕の発展を助けていくことになりました。しかし、いまだ土地は多くの森林で覆われていたのです。

 

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